華道専慶流WEBいけばな講座 第38回
(07.12.14改訂)
水仙をいける(12月〜1月実習
西阪慶眞指導


今回は伝承花の一つである「水仙の生花」の実習です(中級〜上級向き)

美貌に酔いしれる人をナルシストと言いますが、ギリシア神話の、美少年ナルシッサスの秘話から来た名前が学名(Narcissus)になっている「彼岸花」科植物です。日本水仙が海岸沿いに多いのは、昔、この球根がタコ釣りに使われたようで、それが波に乗って各地の沿岸に打ちあげられ、繁殖したと言われています。

12月から1月頃が旬で、いけばな界では花の少ない時期の貴重な素材として取り上げられ、楚々とした風趣やかすかな香と共にその美しさを愛でてきました。中でも、越前で採れる素材が、最高級品。厳寒の浜風にさらされ、葉が引き締まるからです。

今回の実習は文章では伝えきれない「呼吸」が技法として伝承されています。従ってすべてをお伝え出来るページではありませんが、表面的であっても是非一度挑戦してみて下さい。

花  型 生花「株分」本勝手
花  材 日本水仙5本
水 揚 げ 水切り
花材費予算 1,200円〜(11〜1月、越前もの)
松と水仙 専慶流
松、赤芽柳、南天などを男株にいける場合も多々あります。
ポイント
一にも二にも、水仙は「繊細な素材」であることを認識することです。そして、数少ない本数で、しかも小さく生けますので、わずかな寸法や撓めで形は一変します。生ける前に深呼吸して、心を引き締めてから取りかかりましょう。

いけ方 
水仙は根元にある白い「袴」を一旦取って、再度形を整え袴に戻して使います。これを「葉組」と言いますが、そこには、細部にわたった細やかな技法が必要となります。本サイトでは可能な限りの解説をしましたが、文章の裏、微妙なニュアンスをくみ取っていただき、専慶流独自の綺麗な形を見いだして下さい。

詳細を記したつもりです。各行程を十分理解した上で慎重に実習下さい。

花 器
花器は小振りの浅い器がよろしい。とくに漆器は調和がいいものです。

横姿(女株)の図

横姿は二株で構成します。天、人の部と地の部です。地の部の花は蕾を添えます。それぞれの組み方、形を把握下さい。

水仙横姿 専慶流

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