万年青のいけ順       ●実際にいけてみましょう(素材によって、配置が異なります)

芯にする割り箸などを剣山後方に挿しておく。 先に組んだ三枚の葉組を割り箸にかぶせ、位置を定める。 反りの美しい葉を人として、左前方に流す感覚で挿す。 万年青の人添は通常と異なり、右に動きをつける。

実を控と地の間に添えれば、これで7枚いけの完成となる。

9枚いけはさらに2枚加わるが、残りの葉の形で配置は異なります。

以下は葉の形状次第で異る配置位置を示しています。

ここまでのバランスが良ければ次ぎに進むが、疑問が残れば今の内に残りの葉との交換を検討します。

古葉をやや左方向に控として配す。足元の葉幅の広いときは右図のように切っておく。 地は長さ30センチ前後。控の根元を包み込むように右前方に。足下広げないように。 長い葉を切った時は、図のように切って足元を引き締めておく。

長くても葉に反りがない場合は人の後ろに添えて、人の裏添に。 長くて反りがあれば天の右後ろに添えて天の裏添に。 沈みとして赤い実を添える。地は葉先で反った葉で、右前方に。 古葉の小さい葉を地の前から包み込むように控を添えて完成。

今日の万年青いけ

「相生(あいおい)の万年青」つまり万年青は葉が向かい合わせに出ることの出生を表した言葉です。従って本来はその出生に合わせたいけ方が流の定めだったのですが、近年は姿重視傾向が強く、素材の葉の幅やそり具合などを考慮して、ご覧の三通りのいけ方にしています。

 次のいけ方は、天の裏添をやめて、あしらい、見越に配置したもの。この方法は、天の部、胴に幅のある素材が使えた場合です。

実の茎は、堅い葉茎の足元部分を輪ゴムで止め、補強しておく。 トップ作例のいけ方。人添の前の葉はあしらいに。その前に沈と地を入れる。 控と見越を入れて完成。この配置法にするとボリューム感が出る。



WEB表紙 1ページ 2ページ 4ページ 5ページ

専慶流いけばな