華道専慶流WEBいけばな講座 第13回
石化エニシダの奇形をいける(中級の上向き)
西阪慶眞指導


花材/石化エニシダ、赤ドラセナ、スカシユリ

花材/石化エニシダ、ストレチヤの花と葉、カーネーション
●ポイント
箒のような細い枝(直管)だけのものを通常「エニシダ」と呼びます。それに扁平状の奇形が生じたものを石化エニシダと呼び、ここでは石化部分の面白い動きや力を引き出したいけ方をしています。従って奇形部分をどのように見せるかがポイントで、自由で踊るような表情を捉えるのです。人を通常より少し長い目にしたり、やや撓めを深くして流すのも、奇形を強調するためなのです。一種でいける他、作例のように洋花と取り合わせて、明るいイメージ、軽快な雰囲気をテーマとします。


直管枝を奇麗に

直管枝の扱い方


石化エニシダで最も重要な点は扁平状の奇形の面白さと対比させた直管枝の扱いです。直管枝を櫛でといだように、交差させない綺麗な線条美を見せること。その事で面白く曲がった奇形部分が引き立つのです。細い枝一本一本丁寧に直します。このときの撓め方は「押し突き撓め」と云って、人差し指と中指を揃え、親指で押して曲げます。簡単に曲がりますので優しく少しづつ手を加え筋を正すのです。
直管枝は広げてはいけません。従って柔らかい枝や最初から広がってる枝は切り、できるだけ枝と枝は寄り添うように直していきましょう。
綺麗な筋を見せるのですから、10センチ未満の短い枝や40センチ以上の長い枝は整理(切る)しておきます。また、しっかりした枝が付いていない場合が多々あります。そのようなときはすべて切り落とし、石化部分だけを使うようにしましょう。


細い枝の撓め方

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