華道専慶流WEBいけばな講座 第35回
(07.6.1)
父の日の現代花(5月〜6月実習
西阪慶眞指導


今回は感謝の意を込めた現代花の実習です(中級向き)

丹頂リークはネギ科の観賞用植物(花穂直径約5センチ)。この時期には他に同種のアリアムリークも使われるが、こちらは花穂が10センチ前後にもなる。さらに赤子の頭ほどにもなる大型穂のギガンチュームも一般的。

茎の曲線は、栽培時人為的に誘引して作られるもの。しかし、自然な真っ直ぐの姿で出荷される事も多々ある。

今回は父の日にちなんだ現代花として、少し贅沢にバラを使っています。白バラが祝いの花に指定されていることから、「白」を基調にします。
しかし、今回は白色をレースフラワーに割り振り、メインとなるバラは豪華な色彩色を選ぶ事で華やぎを盛り上げ、個性的な構成にしました。

今回の実習は現代花です。花器の選択は少しこだわり、単調な平水盤ではなく、創作花器(又は雑器)を使用しましょう。ここでは手付きを選び、お父さんの好きなビールジョッキに見立てています。

「父の日の現代花」

花  型 現代花
花  材 丹頂リーク5本、バラ10本、レースフラワー少々。
水 揚 げ バラの「水切り」は必須です。そして、棘は取らない事も重要です。
花材費予算 1,500円以上(5〜6月)
完全固定を目指して、十文字に渡した張り木にもたせかけて留めておきます。勿論、足元は剣山にしっかり固定しておきます。
ポイント
丹頂リークは曲線をいかせますが、散在させないよう、交差を考慮しながらまとめます。直上的な立体構成がよろしい。手慣れた人は作例のように全体を傾斜させることで動きはさらに増強されます。

いけ方 
構成本位に生けますので「役枝」は意識しません。しかし、慣れない方は全体像が掴めないため「主」「後副」「前副」などの基本花型の応用と思いながら、奥行をつけていけるといいでしょう。但し、長短の差をつけない事が重要です。

また、丹頂リークは茎が弱く、しっかり固定させることが難しい素材です。左図のように十文字留めを使用したり、添え木を工夫するなど、補強を考えた完全固定に心がけます。

花 器
花器は安定した創作花器を。


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