華道専慶流WEBいけばな講座 第40回
(08.7.15)
雪柳をいける(7月〜8月実習
西阪慶眞指導


雪柳の風情をいける「行の生花」(中級向き)

バラ科の雪柳は3〜4月の開花で、強健、繁茂する。繁殖には株分が最も簡便で、日当たりさえ良ければ何処ででも育ちます。
樹勢は1〜1.5メートル、株立ちで、枝垂れる。
いけばな界では花期だけでなく、新緑から紅葉まで、季節で変わる色の変化、推移を楽しみます。なお、花は促成開花させたものを使用するため、露地物より一足早い1月〜3月に生けることが多く、5〜9月は緑の葉を、10〜11月は紅葉を愛でます。

今回は自然な風合いを生かし、涼やかなイメージを大切にいけあげます。桧扇、ルリ玉アザミ、ナデシコ共に比較的日持ちがよく、可憐な桧扇の花が次々に咲き、楽しみもあります。

花  型 生花「行の花型」
花  材 雪柳、桧扇、ルリ玉アザミ、ナデシコ
水 揚 げ 雪柳は水切りの後、根を砕く
花材費予算 1,200円〜(7〜8月)

雪柳 春には公園などで群植した真っ白な景をよく見かける。


雪柳-2 専慶流
●花期の作例 花材・雪柳、アネモネ、
ゴッドセフィアーナ、フリージヤ。

ポイント
細い茎が描くしなやかな曲線を引き出します。撓めは効きますが、茎の太い部分は曲がらないので、自然の姿を捉えます。繁茂した細かい枝は十分整理しましょう。

いけ方 
夏の花は水揚げも悪く、日持ちしないのですが、雪柳は水揚げも良く、涼しげです。但し、風に当てると葉が落ちやすくなるので、飾る場所を選んで下さい。
上記作例は夏の暑さを和らげてくれる緑を基調にした爽やかな気品ある生花です。風になびくゆったりした風情を引き出すよう、全体のバランスを。とくに、桧扇は重くならないよう葉の表情を眺め、不要な葉はカット又は葉先を切って姿を整えましょう。黄色い花は一日花です。終わった花はこまめに取りましょう。

花 器
花器は水面が見えるコンポートがいいでしょう。



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