秋から冬にかけては柳の季節。最近は幹の綺麗な園芸種も多数出回り、筋いけ生花を楽しむ絶好期。まず、何本程度でいけるのか決めて、又木の開角度、大きさを推理する。量的分量は人を境に上部、下部を2対3程度とし、下部の本数を多く配分。
人を1番に、以後はこれにもたれさせるように添わせていくが、各枝の茎をいかに真直ぐに矯正するかがいけやすさと、作品の良否に直結する。足元の一握り部分の芽はすべて取っておく。
◆又木を使う
筒いけは、剣山を使わないで、自然木から作った又木という小道具だけで固定させる伝統技法の一つ。
花器は寸胴(30センチの竹、叉は陶器)を主とし、足元のキリッとした締まりと、器との軽妙なバランスを見所とする。最近は筒形の口辺をもつ創作陶器にも又木留め手法を積極的に取り入れ、新しい感覚の伝統美を見い出している。