銀芽柳の生花3 西阪慶眞指導

いける前にもう一度確認下さい。又木は1ページの挿し絵通りの方向に入っていますか。その深さは口辺から約一センチ下がったあたりです。浅いと張り木が出来ません。深いと枝が立って作例作品のような傾斜が出せませんし、さらにとてもいけにくくなります。

今回の柳いけでは本数が30〜40本と沢山入れますので差し口の詳細を表示する事は出来ませんが、一ページの基本差し口を参考に応用して入れます。人添、人の裏添、あしらいを数本入れた後、人を入れ、天添、天とすすみ、さらにあしらいに本数を増やし地の添へといけ進み、徐々に「つなぎの枝」を足していくのです。本数が多いのでどうしても足元は太くなりがちですが、できる限り細く仕上げ、軽快感を与えることがポイントです。そのためには又木は大きくなり過ぎない事です。もちろん足元に付いた花芽も綺麗に掃除しておかないと細くはなりません。また、二股になった枝も使いますが、途中で交差しないよう、あくまでも一本一本入れたのと同じような綺麗な線条美をねらいます。櫛で髪の毛をといだのと同じで、こうしたいけ方を「筋いけ」と云うのです。

人添から控にかけてはカなりの本数を入れます。ここの本数を多くする事で全体の安定感と線条美が増幅されるのです。そしてじょじょに右カーブの枝もプラスして、地との連係をはかり、奥深い空間を作っていきます。

WEB表紙 1ページ  2ページ              04.10.7改訂版版

専慶流いけばな