華道専慶流WEBいけばな講座 第29回
(06.3.18)
色彩小品生花(3月〜4月実習
西阪慶眞指導


3月に入ると春の草花が多彩に店頭を飾ります。今回はこうした草花を組み合わせた華やかな生花の実習です。(今期の素材は洋蘭系統をはじめ、温室栽培、または輸入品であり、路地ものに比べ、色あざやかな反面、軟弱です。必ず水切りをし、扱いは丁寧に)

いけ方 
多種挿しで、混ぜいけ手法の応用でいけます。春の色彩を引き立てることから、軽やかな構成を。

取り合わせ
基本的に生花は「線」の構成です。軽やかな茎ものを上部に配し、太い茎ものは胴や控にします。例えばカイウを使う場合、茎が細ければ天や天添に使えますが、太い場合は胴、または控、見越しあたりに使い、茎が目立たない場所に配します。
色彩的には淡い色を選びます。同色、混色問いません。
葉ものは個性的なものを。鳴子ユリ、ゴッドセフィアーナ、玉シダなどは平凡で感心しません。レザーファンは色が濃く、暗くなるので扱いに注意がいります。モンステラを使う場合は小さいものを選び、斑入りがあればベターです。

花 器
花器は小振りの軽快なものがよろしい。作例の花器は直径16センチ、高さ11.5センチで、色はトルコブルー、口辺の帯は銀。底に小石を入れて剣山位置を上げています。

作品拡大図参照

「春の華やぎをいける」

  花 型 生花「行」(逆勝手)
  
花 材 レースフラワー(3本)、ヘリコニア(3本)、ポリポジューム(3枚)、
       カーネーション(3本)、デルフィニューム(2本)。
  
水揚げ すべて水切りします。何れも水揚げ良好。
  
花材費予算 1,200〜1,400円(3〜4月)

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直上する空間を作る事が大切です。それぞれの茎のわずかな曲りを見落とさず、花の向きと照らし合わせながら位置配分を考えます。
入れる順序はいつもと少し異なり、決まるものから先にいけ、順次バランスをはかりながらいけ進めます。作例順序はその一例です。

1、天に背丈のあるレースフラワーを配し、天添のヘリコニアを右前にあてます。このとき、必ず図のように、互の茎に、素直な縦の空間を作り出す事。最初の枝選びで茎が左カーブになっているものを選択しておく事。天添もやや曲がっているのがベターです。

2、天の裏添にもう一本ヘリコニアを副えます。この時も同様必ず縦の空間を意識して左後ろに配置します。
「縦の空間」と云うのはとても重要で、枝と枝の間に出来た空間が上に伸びる事であり、閉じる空間は勢いを失うのです。

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