華道専慶流WEBいけばな講座 第9回
ほととぎすの生花(中級の上向き)
西阪慶眞指導


ほととぎすは赤紫色の斑点が、野鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることから付けられたそうですが、物静かな風情をかもし出す落ち付いた雰囲気から、詩に詠まれたり、茶花としても喜ばれてきました。備前、信楽の素焼の壷、篭、つり花など、日本間にさり気なくいけられた光景はまさに日本文化そのものです。
 作例は伝統的な風趣を現代空間にも調和させる意味で、ナデシコの色を控え目に添え、明るさを取り入れたもので、器も現代的な銀彩花器を使っています。
栽培はいたって簡単です。鉢植えより、半日陰の地植えがよく、夏場の水やりを欠かさなければ日焼けもしない綺麗な葉が期待できます。また、虫が付くことがあるのでオルトランの粒剤を播いておくといいでしょう。
花言葉は「永遠にあなたのもの」

撓め(曲げる)は効きますが、少し技術がいります。節と節の間を持ち、少し時間をかけてゆっくり曲げるのがコツです。
花をいけると云うより、むしろ葉を重視します。
水揚げ、日持ちともによろしい。水切りをします。
彩りにナデシコを添えていますが強くならない様、葉の間にプラスし、あくまで色の補足と考えて下さい。

剣山を使う
深鉢花器を使う時は花器三分の二程度までビニールに包んだ小石を入れ、その上に剣山を置きます。剣山部分は水平に。参照

素材選びと撓め
流通する素材は曲のない真直ぐなものが多いようです。天や人、地は撓めて綺麗な流れを作り出します。また葉は上に向く事が大切で、素材選びは慎重に。

  ●作例素材 ほととぎす7本、ナデシコ4〜5本。
  ●水揚げ 水切り
  ●花材費予算 1,100〜1,300円 (葉の綺麗なもの、花首の短いものを選んで下さい)
  ●ナデシコがない場合はミニカーネーション、白リンドウ、小菊など。



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