華道専慶流WEBいけばな講座 第2回
銀芽柳の生花(〜筒いけの基礎、又木の使い方)

西阪慶眞指導


秋から冬にかけては柳の季節。最近は幹の綺麗な園芸種も多数出回り、筋いけ生花を楽しむ絶好期。まず、何本程度でいけるのか決めて、又木の開角度、大きさを推理する。量的分量は人を境に上部、下部を2対3程度とし、下部の本数を多く配分。
人を1番に、以後はこれにもたれさせるように添わせていくが、各枝の茎をいかに真直ぐに矯正するかがいけやすさと、作品の良否に直結する。足元の一握り部分の芽はすべて取っておく。

又木を使う

筒いけは、剣山を使わないで、自然木から作った又木という小道具だけで固定させる伝統技法の一つ。
花器は寸胴(30センチの竹、叉は陶器)を主とし、足元のキリッとした締まりと、器との軽妙なバランスを見所とする。最近は筒形の口辺をもつ創作陶器にも又木留め手法を積極的に取り入れ、新しい感覚の伝統美を見い出している。

又木(またぎ)
又木とは、股になった小枝部分。材は固い生木なら種類を問わない。(柳や藤で作ったものが市販されているが、材が滑りやすく、留めにくい)
太さはいける素材で異なる。ヒバや槙など重い素材をいける際は元木部分で1センチ程度。草花のような軽い花材では6〜7ミリの少し細目を選び、その他一般素材では7〜9ミリ程度のものが一般的。開き角度は40〜45度(但し花材によって異なる)。
留め方
根元を花器の底、又は壁面に当て、又木にもたせかける。このとき、切り口は器の壁面に合致させた角度に切り、素材の回転を止める重要なカギとなる。また、各枝の茎は真直ぐに矯正し、各枝同士の密着をはかる。
張り木・詰め木
「詰め木」(つめぎ)はいけあがった最後の留め補強材。差し口のあまった空間に、短く切った詰め木で完全に埋めつくし、幹の遊びをなくす。詰め木の代わりに「張り木」(はりき)で代用することもある。これは足元を細い枝で弓形に張って固定せる方法。また、この張り木手法は、いけあげる過程で仮り留め役として使うので、あらかじめ長短に切った(5〜10センチ程度の長さ)2〜3本の小枝を準備しておくと重宝する。

又木の方向と各枝の配置

又木は図のように左前に向けて張る(固定する)。これは専慶流独自の美に結びつけるもので、他の流派で見られる横向き、縦向きと異なるので注意が必要。
各枝は三角の空間にすき間が出来ないように茎の太さを見ながら順次埋めていく。いけ順は自由(若松生花が基本)。


WEB表紙 2ページ 3ページ       04.10.7改訂版  

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