華道専慶流WEBいけばな講座 第26回
(05.11.12)
石化柳をいける
西阪慶眞指導


石化(せっか)は、茎が扁平状に奇形を生じたものを総称したもので、いわば病から派生した形です。石化エニシダや、久留米鶏頭、石化マメなども同様です。

奇形のおもしろい形をいけるのですから、なるべく変化のある素材が望ましく、扁平部分が大きく、自由奔放な形ほど扱いに楽しみがあります。

使用本数は7本程度がいいでしょう。

豊かな動き、力強い流動感が見せどころです。扱いは石化エニシダと同じように考えるいいでしょう。(参照)

材は柳なので粘りがあり、撓めやすいものです。但し、太い部分は固く、しっかり圧縮して撓めないと折れる事があります。
また、石化部分は自然のままでなく、手を加えてさらに変化を付けますが、あくまでも平らな部分を見せる事が肝要で、撓める向きに注意し、場合によってはねじり撓めで対応します。

●作例材料 石化柳7本、旭ハラン3枚、糸菊3本
●水揚げ 菊は水切り、その他は不要です
●花材費予算 1,300〜1,500円(9月〜12月)
素材の良否 素材としては石化の曲がった面白いものが望ましいのですが、大抵は平凡な形が多いものです。撓めて対応しますので、ある程度太いものを入手すると好いでしょう。
、伸びやかな「くの字」の形が重要です。太い部分は慎重に「握り撓め」で綺麗な曲がりを作ります。枝先は上に向くように。
、ここでは裏添を、極度に撓めを効かせて右後に配しています。枝先は後から前に向かうよう、撓めておきます。
3、天添の枝先は通常天に向けますが、ここでは動きに変化を求めるため、あえて左に向けています。但し、途中の空間はあくまでも立ちのぼる空間を作っておく事が条件です。
、胴は太い枝を配します。写真では少し細く見えていますが石化が斜めになっているためです。天と天添の前に配しますが枝の向きは少し左右に振った形が、変化の意味でいいでしょう。

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