華道専慶流WEBいけばな講座 第37回
(07.8.21改訂)
現代生花-ジンジャーの実をいける(9月〜10月実習
西阪慶眞指導


今回は「行の生花」の実習です(中級向き〜)

紅い実が可愛いジンジャーを、軽快な色彩感覚で捉えた現代生花です。

9月頃から出回りますが、色付きの良好なものが入手出来ればラッキーです。この実についての詳細は不明で、一般に出回るのは左下図の松笠ジンジャーがポピュラーです。(本種は沖縄辺りで自生する「クマタケラン」との指摘もありますが、実がならないとも云われています。いずれにしても生姜の仲間は2000種近くあるとされています。正しい名称がわかれば一報下さい)

今回使用の実の大きさは直径1センチたらずの小粒。落ちやすいので扱いは慎重に。葉はゲットウに似ていますが、実だけで使っています。茎は案外柔らかで、剣山に挿しても倒れやすく、添え木などの補強が必要。

花  型 生花「行の花型」逆勝手
花  材 ジンジャーの実5本、モンステラ2枚、ダリア3本、孔雀草1本、スターチス2本。
水 揚 げ ダリアは水切り。空洞植物で、茎が割れないよう鋭利に切ります。
孔雀草、スターチスも水切り。
花材費予算 1,300円〜1,500円(9〜10月)
ジンジャー、エチナセア 専慶流
中央上部の2本の実は松笠ジンジャーと呼ばれるもので、背丈は30〜35センチ程度。
ポイント
小粒の可愛い実を引き出すよう、軽やかに扱います。わずかな茎の曲がりを捉えて人までの上部を構成。ジンジャーを引き締めるようにモンステラ、ダリアなどを添えます。したがってこれらを左右に広げず、ジンジャーに溶け込ませるように前後に配すことが重要。

いけ方 
生花「行の花型」にいけます。基本的には天の高さは75センチ〜80センチが基準になっていますが、今回は現代生花です。他の花材とのバランスをはかりながら定めます。作例写真では70センチ強となっています。孔雀草で「地」を配していますが、一本の枝を分解した横枝を使用しています。モンステラをもう一枚追加し、その葉で地にするのもいいでしょう。

また、ダリアは弱い植物です。必ず水切りして、素早くいけることがコツです。

花 器
花器は小振りのコンポート、指定カップ型花器などがよろしい。


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