また、葉を中心に眺める植物ですから、なるべく葉のしまった、一枚一枚の葉が小さいものがいいのです。ややもすると実が沢山付いたものが良品のように見受けられますが、いけてみると如何に葉の色、大きさが重要かが理解出来るでしょう。
最近は栽培にも手間をかけ、一本一本丁寧に誘引し、日除け屋根の設備した畑で生産され品質は向上しています。しかし、反面、枝の面白さに欠けるのが難点です。横枝をうまく扱う事で回避したいものです。
なお、撓めは若干利きますが、しかし水揚げに影響するため過度な撓めは厳禁です。
「千両の生花」
・千両一種の生花は珍しいのですが、瑞々しい清楚さ、上品さがただよってきます。天は70センチ強程度に求め、やや小振りで、引き締めた形にします。地は横枝を配し、葉の面が上に向くものを選びます。
撓めは若干使いますが、自然の形を利用するのが勢いに繋がるのです。いける前にそれぞれの曲がり、動きをよく観察し、その上での素材配分を。
今回の千両は和歌山・真妻の里で生産されている阪田さんから送って頂いたものです。サイトには生産過程も掲載されていますので参考にして下さい。
http://www.naxnet.or.jp/~sakata57/index.htm