華道専慶流WEBいけばな講座 第34回
(07.5.2)
深山南天の投入(5月〜6月実習
西阪慶眞指導


今回は投入の実習です(中級向き)

ナナカマドの仲間と云われている深山南天は低木で、茎の太さは小指大。通常、高木下に育つ半陰樹で、強い木漏れ日を受ける明るい環境の中部山間地に多く自生する。背丈は2〜3メートル。

初夏になると南天のような実をつけるが、細い茎と緑葉の優しさが特徴で、初夏から夏にかけて使用することが多い。盛花、投入、生花にいけます。いずれの場合も、優しい茎と葉の表情を効果よく見せるため、配材は水物やアザミ、桔梗、ナデシコ、クレマチスなど、軽やかな季の素材を組み合わす。

今回の実習は瓶(壷)にいける「投入」です。盛花とは異なったおおらか空間構成で、自然風趣を求めます。

「自然風趣の投入」

花  型 投入「傾体型」
花  材 深山南天、透かしユリ(2本)、ゴテチャ(3本)、黄スカシユリ(2本)、鳴子ユリ(3枚)
水 揚 げ すべて水切りで十分です。但し、ゴテチャは切り口が腐敗する場合があるため、元気がなくなれば早めに切り戻しを。
花材費予算 1,300円〜1,500円(5〜6月)
葉の面を上に向け、傾斜させて入れ、順次上から差し込むように生けていく。(足元は必ず下方向に曲げておく)
ポイント
投入は剣山を使用しないのが原則で、花器口辺にもたせかけて留めていきます。従って重力を常に意識し、少し傾けて挿し、傾ぐ(かしぐ)美しさを狙います。材はねばりがあり、撓めが効きますので、綺麗な曲を作りだします。また、器の中に入る部分は必ず下にカーブをつけておきます。そうすることで美しい形に安定よく留まるのです。
口辺の広い壷はバランス的に似合いません。細目の壷を使用し、軽快な姿を求めます。

投入の利点
足元が引き締まる 細い枝、太い枝を問わず、留めやすい 軽快感が増す ・風情がある ・水揚げが良い

いけ方 
中心になる「主の枝」から入れ、順次根元の茎を絡ませながら入れていく。

花 器
花器は細長い筒状ものが似合う。


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