華道専慶流WEBいけばな講座 第23回
(05.7.15)
柾木をいける(7月〜10月実習
西阪慶眞指導


夏場は花材の日持ちが悪く、水の交換や根元の切り替えなどきめ細やかな管理は欠かせません。バクテリアの繁殖で水が腐ることが水揚げに影響を与えるのです。近年、錫を網状に加工した浄化効果の高い水揚げ材料が考案されています。板状チューインガムの形をしたもので、水に触れる面積を拡大させるために網目に小さな穴を開あけている点が効果の秘訣で、何度も反復して使用できるのがありがたい。希望の方には送付します。

木もの生花は敬遠される傾向にありますが、緑の濃淡を巧みに取り入れる日本人の深い感性を是非とも受け継ぎたいものです。姫柾木は春に出た新芽が7月頃には引き締まって扱い頃になります。

花屋では本種を姫柾木と呼んでいるのですが、本来それは茎の細い種を指します。写真の素材は園芸品種の「銀柾木」と呼ぶのが正しいのでしょう。日本の原産で自然、及び人口交配が重ねられているため、特定するのがむつかしいのが現状です。覆輪が黄色い品種、作例のように白い品種、そして中斑のものがあります。いずれにしても古くから生花には好んで用いられ、一方、庭園の垣根などにもよく使われています。

花 材/姫柾木(銀柾木) 
花 期/6月〜7月(いけばなでは花は無視します)
水揚げ/水切で十分ですが、4〜5日目に足元を切り戻すと長持ちします。

作品拡大図参照

「粗密に見る緑の濃淡」

  花 型 生花「真の草」(本勝手)
  
花 材 姫柾木(5〜6本)
  
水揚げ 特に必要ありませんが、足元を切り戻す。
  
花材費予算 1,300〜1,500円(7〜10月)

■ 扱いのポイント
枝選び」及び一本の木を何処で分けるかと云う「分解」が難しいでしょう。5本の素材を次の順序で選択するといいでしょう。
まず、枝先の伸びた綺麗な枝を3本選びます。この場合「枝先」は伸びた横枝も含みます。その3本を天、人、地に配分しますが、中でも天は全体の茎がスラッとした素直なものを選び、地は可能な限り横枝を充てます。天添は延びが必要ですが、ある程度横枝が付いているややボリュームあるものを。控は長短のあるこんもりしたもの。3ページの分解写真を参考にして下さい。
なお、6〜7月には小粒の花が付きますが観賞価値はありません。沢山付いて目障りなら取って下さい。

■ 剣山にしっかり固定
素材は比較的やわらかく剣山にしっかり固定することは案外難しいものです。大切なことは根元を割りすぎない事です。割るのは深さ2〜3ミリ程度で、十文字或いはそれ以上に「筋を入れる」感覚で切れ込みを入れます。そしてゆっくり左右に振りながら針の下までしっかり差し込みます。

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