華道専慶流WEBいけばな講座 第15回
現代生花(ヘリコニアをいける)
西阪慶眞指導

●作例花材 ヘリコニア2本、シルバーキャット数本、ピンクッション3本(黄色)、青ドラセナ2本
花器/ラッパ型コンポート(コピー品。剣山置き台が付属しているため、小石などを用意する必要はない。その意味では初心者には親切なはからいと言えます)

●水揚げ すべて水切りします

●花材費予算 1,200〜1,500円(11月〜12月)

●ヘリコニア 個性の強いヘリコニアは色と形を捉えて横向き、又は斜め方向で扱い、花の形をはっきり見せるように使います。葉を切った茎が付いている時は付け根で切っておきます。

●応用素材 ヘリコニアに代えてストレチアでも同様のいけ方が出来ますが、その場合は花が少し弱いので3本使うといいでしょう。天、天添、裏添に扱います。


ヘリコニアは熱帯アメリカ、南大平洋原産。多年草の芭蕉の仲間。面白い形をした包(色付いた部分)は種類によって色も異なり、形は下垂するものもあり、背丈は50センチぐらいから7メートルに達する大型種まで多種多様。切り花としてはその中の数種だが、作例の小型園芸種は年中出回ります。形をはっきり見せ包の形と色を引き立てますが、観葉植物との出会いは欠かせません。ソテツ、アンスリュームの葉、モンステラ、セローム、タニワタリなど、葉の面と組み合わせるのです。主材、配材を問いませんが、花が大きいので生花では主材に扱うのが一般的で、配材にする場合は、主材に松などしっかりした幹ものを選びます。花が重いのでしっかり固定しておきましょう。

いけかた
主材のヘリコニアからいけます。茎の曲がりと花の向きを検討して天と天の裏添に入れます。
天は右カーブに見えるものを選びます。高さはいつもと同じ75〜80センチ。
もう一本は後ろに添えます。前に配さないのは、シルバーキャットの柔らかい白花に見え隠れさせて、深みを付けるためで、白花と混ぜることで、ヘリコニアの強さを弱め、全体の雰囲気に統一を持たせるのです。
また生花の決めてはなんと云っても「添い」。茎が離れ離れになっては規律が損なわれ、形式美が台無しになります。幹の添いを重視した配置を考えます。作例は後添の茎が右に曲がっていないので左奥に使っています。本来、裏添は右奥に配しますが、これも天の裏添といいます。

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