華道専慶流WEBいけばな講座 第21回
ストレリチアの生花(中級の上向き)
西阪慶眞指導

包に包まれた黄橙色した花が「極楽鳥」を連想させることから、和名を極楽鳥花(ゴクラクチョウカ)と呼んでいる。

 栽 培
南アフリカ原産のバショウ科植物だが、比較的耐寒性に強く、冬は室内に取り込んでおけば越冬する。生育温度は20度からと云われているので、春になれば外に出してなるべく太陽にあててやる。また、加湿を嫌うので水やりは土が乾けばやる程度がよさそうです。冬期は控える。

花言葉は「恋の伊達者」「万能」 
 12月16日の誕生花。

撓め(曲げる)は効きません。自然の形を生かせます。
個性ある花の形を捉えて、横、又は斜め向きに見せる。包の中の花は人為的に手で取り出し、咲かせる花の数を加減する。
水揚げ、日持ちともによろしい。水切りで十分です。
葉はあまり大きいものはよくありません。なるべく小さなもの(幅の狭いもの)がよろしいが、少しぐらいは下葉を切って調節できます。

素材選び
茎の真っ直ぐなものは動きが出ませんので少し曲がったものを入手します。また、外からは見えませんが、新鮮な素材は包の中に幾つかの蕾が入っています。包に張りがあり、膨らみが太いものほど、新鮮で、中に蕾が入ってる証にもなります。

ストレリチアの逆勝手生花
  
●作例素材 ストレリチアの花と葉、バンダ、ルスカス、レースフラワー。
  ●水揚げ 水切り
  ●花材費予算 1,100〜1,300円 (ストレリチアの葉は小振りのものを選びます)
  ●バンダに代えて君子蘭、バラなどを使うことも可能です。

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1. ストレリチアの茎の曲がりを捉えながら天の部を構成します。与えられた素材の茎の曲がりや花の向きによって組み合わせを考えますが「上に伸びる空間」構成が大切です。ここでは天に対し、曲った茎を裏添に配し伸びを求めています。
2. 右後ろに人の後添をプラス。作例ではこの枝を人に扱う事も可能のようにも見えますが、茎が真直ぐで表情が堅いため、後ろに使っています。
3. 葉をかかえるように(表面を天に向ける)配し、天添、胴の役割をもたせます。

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