華道専慶流WEBいけばな講座 第16回
中級向き「盛花」 西阪慶眞指導


解放的勢い

素材には立てていけるものと倒した方がいいものがあります。専慶流の盛花形式ではどのような素材にも対応出来るように幾つかの「花型」を制定していますが、立体型、傾体型、横体型、流体型、平面体などがそれです。立体型は立った素材に適し、主の傾斜角度を15度までに定めます。また、傾体型や横体型は横に広がったもの向きで、主の傾斜を15度から45度前後まで傾けていけるのです。

今回使用したリューカデンドロンの芯は若松同様、真直ぐで無表情。しかし横枝には曲がりもあり、また、矯めもききやすいのです。このような特徴からここでは横枝に焦点をしぼり、開放的勢いをねらった傾体型の盛花にいけてみました。(3頁には横体型の作例も掲載しています)

リューカデンドロン 南アフリカ原産のこの種は沢山あり、いけばなでは葉の赤い種や淡緑のものが一般的です。水揚げは特に必要なく、ドライフラワーにも向き、長期間楽しめます。

●作例材料 リューカデンドロン3〜4本、ゴッドセフィアーナ、バンダ、レースフラワー、ガーベラ
●水揚げ ガーベラは水切。(剣山に挿すと切り口がつぶれ、腐りやすくなります。剣山に挿さないで、他の素材にもたせかけて留めます)
●花材費予算 1,300〜1,700円(12月)
ガーベラの代わりにオンシジューム、ゴッドセフィアーナに代えて青ドラセナなどもいいでしょう。

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  • 傾体型にいけます。伸びやかな茎の動きと前後の空間構成に注視し、開放的で、それでいてキリっと引き締まった華やぎをねらいます。
    • 1、リューカデンドロンの芯は真直ぐなので少し矯めて主にします。長さは65センチ前後。2、柔らかく流れのある横枝を効かせます。図のように芯をとめて、横枝と分けます。3、分けた横枝を左前方に配し、前添とします。

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