華道専慶流WEBいけばな講座 第22回
(05.5.20)
リアトリスをいける(5月〜6月実習
西阪慶眞指導


北アメリカ原産のキク科の多年草で、大正末期に渡来。 茎はまっすぐに立ち、葉は線形。花は穂状花序で、花茎に沢山つける。槍咲きと玉咲きがあるが、後者は切り花として流通していないようです。
玉咲き作例参照
いけばなでは槍咲き種を真直ぐに伸びる花茎の特徴を捉えて少し長い目に扱いますが、茎を少し弓形に撓めておくとさらに伸びが出ます。但し、生花の様式では直状する姿を捉えて「行の真」の花型にいけますので、撓め過ぎに注意が必要です。
現代花でも扱いは同じで、わずかな曲をうまく表現します。
現代花作例参照

栽 培 リアトリスはいたって強健で、日照確保と水はけが確保できれば何処ででも栽培できます。タネは4月中旬〜5月下旬にまき、若芽のときに弱い芽は根元でかき取っておきます。過湿では白絹病が出ますので梅雨明け時に殺菌し、油虫にも注意します。
地下茎は塊状に肥大し球根のようになります。秋または春に株分けします。また、嫌地があるので3年毎に別の地に植え替えます。

花 期/6〜7月 花言葉は「向上心」 水揚げ/水切で十分です

作品拡大図参照

「規律ある清楚なかたち」

  花 型 生花「行の真」(本勝手)
  
花 材 リアトリス(11本)、ギボウシ(4枚)、黄透かしゆり(2本)。
  
水揚げ すべて水切りします。何れも水揚げ良好。
  
花材費予算 1,200〜1,300円(5〜6月)

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直上した規律ある姿を求めます。リアトリスは茎が真っ直ぐなようでも、よく見ると部分的に曲がっているものです。多少矯正を加えますが、前から見て素直な線に見える向きに扱い、緩やかな「くの字」の姿に統一させます。撓めは全体に「しない撓め」技法を使い、直上する美しい構成美をさぐります。

1、天は中程度の太さのすらっとした枝を選び、75~80センチの高さに定めます。足下三分の一から徐々に曲げ、緩やかな弓形を作りだします。天の左前に天添を、右後方に天の裏添をそれぞれ入れますが、図のように筋を奇麗に通すことが見せ所となります。下葉は15センチほど奇麗に取っておきます。2、胴は少し太いものを選び、立ち上らせ、引き締めます。3、人は天と同様、すらっとした枝を選び、緩やかな曲をつけ、左前方に。高さは天の十分の六。

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