華道専慶流WEBいけばな講座 第18回(05.1.25 修正版)
株分生花(〜株分の基本)

西阪慶眞指導


春を告げる代表的素材の一つ、ネコヤナギは銀色に輝く花芽が今期ならではの表情をかもし出します。材は比較的撓めやすく、細い茎は素直なので、線条美を生かしたいけばなに用いられる。また、園芸品種も赤芽柳、銀芽柳、小豆柳など、芽の個性以外にも茎の肌の綺麗なものが出回っています。

今回は春の訪れを予感させる明るく伸び伸びした株分生花の実習です。キリッと引き締まった中にもはじけるような生き生きとした格調ある「かたち」が見せどころです。一本一本の枝先にまで、春の生命を感じさせましょう。

二個の剣山を使う

二個の剣山を使い、一つは左後ろ、もう一つは右前に置き、後ろには立姿を、前には横姿でいけ、両者に緊密な空間美を描き出します。

●作例材料 ネコヤナギ、菜の花、レンギョウ
●水揚げ 菜の花は水切りをします。
●花材費予算 1,500〜2,000円(1月〜2月)
ネコヤナギは園芸品種で、茎が細く、筋が通った素材が、初心者にはいいでしょう(銀芽柳は少し茎が太いようです)。レンギョウは小枝の付いた、よくしまった素材入手が大切です。
横枝の扱い

横枝は左図のようにかなり広がっています。このまま使うと枝が交差し、見苦しくなり、線条美は出せません。一本一本付け根から丁寧に枝を矯正し、互いを寄せます。また、横枝は股の向きを横向きに使うのでなく、必ず前後(縦)にして扱います。一緒に付けて使える長さは10センチ以上、40センチ以下を基準に使って下さい、それ以外はすべて切り落とし、長い横枝は単独で使います。

また、横枝の長い(30センチ〜40センチ)ものは人より高い位置に配し、15センチ前後の短い横枝は人添などに配し調和をはかります。何れにしても、伸びやかに見える事を頭から離さないように枝取、配置を考えて下さい。


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