華道専慶流WEBいけばな講座 第43回(08.10.20)
寒桜をいける(10月〜11月実習
西阪慶眞指導


楚々とした表情を捉える(上級向き)

晩秋から初冬にかけて咲く桜は「冬桜」又は「十月桜」と区分されているが、いけばな界では「寒桜」の通称名が一般化している。枝は細く、花弁は八重。花色は薄ピンク、白。

多数の横枝を付けていますが、規律ある統一した美しさを表出させ、楚々とした雰囲気を見せどころとします。一種生けの他、二種いけ、三種いけとしますが、あっさりした取り合わせが良いでしょう。

花  型 生花「行の花型」
花  材 寒桜、菊
水 揚 げ 菊は水切りをします。
花材費予算 1,300円〜(10〜11月)

寒桜完成-2 専慶流
三種いけの作例

叉木内の配置-専慶流

ポイント
細い横枝をくまなく丁寧に修正し、綺麗な統一美を見せます。折れやすいので細い枝はねじり撓めで慎重に。
筒いけ生花(叉木留め)では、根元配置、いけ順が重要となります。本数を多く使いますが、足元を細く仕上げる努力をしましょう。そのために一本一本の根元は真っ直ぐに矯正し、出っ張りや節は綺麗に取り除いておきます。

いけ方 
素材配分を済ませたら、主な各枝の形を作ります。おおむねの枝作りが出来たら、いける順番と根元配置の検討をします。理想的には、前から見える茎は小指大の太さ3本を配置し、それ以外の枝は後ろに挿し、見せないように工夫するのです。いける順番は素材の都合によりますが、「人」からいけるのが一般的です。

花 器
色抜きした竹筒にいけるのもよろしいが、円筒形の陶器にも挑戦下さい。手ひねりの器は内部が真円でないため、叉木を留めるのは慎重に。


1.寒桜をいける-1 専慶流
2.寒桜をいける-2 専慶流 3.寒桜をいける-3 専慶流
1. 足元を真っ直ぐになおした枝を人に選び、左前方に。枝先は上に、弓形の撓め位置は枝先から30センチ前後下から徐々にカーブを。
この枝が総ての土台となるので、しっかりした枝であることが重要です。
2.


3.
枝によっていける順序は異なりますが、ここでは天添と人の裏添を兼ねた枝を二番目に叉木後ろに入れています。
続いて裏添と胴を兼ねた枝を叉木前方に配置して、立ち上らせています。


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